[アップデート] Amazon Aurora に 新しく Aurora I/O-Optimized というストレージ構成が追加されました!
こんにちは、AWS事業本部の平木です!
今回、Amazon Aurora (以下、Aurora)の設定・料金体系に Aurora I/O-Optimized と呼ばれる構成が発表されたためブログにしました。
簡単に Aurora I/O-Optimized とは
Aurora I/O-Optimized とはストレージIOに関する新しい設定・料金体系となっており、
端的に言うと、 Aurora DB クラスターへの読み取りと書き込みのI/O操作に対する追加料金が発生しないコスト予測のしやすい構成です。
この構成により I/O が多いアプリケーションを使用される環境において、コストパフォーマンスの向上、精度の高いコスト予測が可能となります。
Aurora I/O-Optimized と Aurora Standard
今回の発表により Aurora DB クラスターに以下2つのストレージ構成ができました。
- Aurora I/O-Optimized
- Aurora Standard (既存の構成)
Aurora I/O-Optimized は、ストレージレートの料金と DB インスタンスの料金 ※1 が Aurora Standard よりも割り増しなかわりに I/O レートの料金が発生しない構成のため、
I/O が多いアプリケーション(特にI/O 料金が Aurora の合計支出の 25% を超える場合)に対して最大 40% のコスト削減を提供します。
反対に、 I/O が低から中程度のアプリケーション(特にI/O 料金が Aurora の合計支出の 25% 未満の場合)には、Aurora Standard はコスト効率の高いオプションとなります。
Aurora I/O-Optimized は、t3、r5、r6i、t4g、r6g、r7g、x2g
のインスタンスタイプを使用でき、
Aurora Serverless v2、Aurora Global Database、リザーブドインスタンスにも対応しています。
※サポートされているインスタンスタイプはリージョンによって異なります。
データベースのストレージとI/Oによる価格設定
東京リージョンの場合、Aurora ストレージ課金額(/GB-月)と I/O 料金(/million-request)は下記のようです。
また、 DB インスタンスの Aurora Standard と Aurora I/O-Optimized の料金比較は下記のようです。 ※1
ストレージ課金額は約125%、DB インスタンスの料金は約30%の増加となっています。 ※1
参照: Pricing by database storage and I/Os
制約事項
制約事項の1つ目は、対応している Aurora のバージョンです。
Aurora I/O-Optimized は、次の Amazon Aurora バージョンで利用できます。
・ Aurora MySQL バージョン 3.03.1 以降
・ Aurora PostgreSQL バージョン 15.2 以降、14.7 以降、および 13.10 以降
2つ目は、 ストレージ構成の変更制限で1か月に1回のみ Aurora I/O-Optimized と Aurora Standard 間で切り替えが可能です。
既存の Aurora クラスターでは、ストレージ構成を 30 日に 1 回 Aurora I/O-Optimized に切り替えたり、いつでも Aurora Standard に戻すことができます。
実際の画面を見てみる
作成してみる
Aurora DB クラスターの作成画面を確認すると、Cluster storage configurationの項目が増えており、
Aurora I/O-Optimized が選択できるようになっています。
ちなみに対応しない Aurora のバージョンを指定するとグレーアウトします。
作成してみると、設定画面の Cluster storage configuration の項目が Aurora I/O-Optimized
になってることが分かります。
Aurora Standard から Aurora I/O-Optimized に切り替えてみる
クラスターを選択し、「変更」を押下します。
Cluster storage configuration の項目で Aurora I/O-Optimized を選択します。
ここで警告として1か月に1回しか変更できない旨が表示されます。
変更の確認画面が表示されるため New Value が Aurora I/O-Optimized になっていることを確認し、
「クラスターの変更」を押下し、完了です。
今回はおよそ1分程度で完了しました。
クラスターストレージ構成は Aurora DB クラスターレベルでのみ変更でき、変更は Aurora DB クラスター内のすべての DB インスタンスに適用されます。
また、変更時に DB インスタンスを再起動する必要はありません。
参考
- Reserved DB instances for Aurora
- Amazon Aurora storage and reliability - Storage configurations for Amazon Aurora DB clusters
- Reserved DB instances for Aurora
- Aurora cluster storage configurations
終わりに
今回の新しい料金体系の登場に検討される方も多いんじゃないんでしょうか?
リザーブドインスタンスを使用されている場合はさらなるコスト削減が見込めるものとなっていますので、 Aurora を普段から利用されている方はぜひチェックいただければと思います。
この記事がどなたかのお役に立てばと思います。
注釈
※1 2023年5月24日に追記いたしました。